Dear-Abbadoのブログ

折々の雑感を綴っていきます。

Time flies.

あれこれ忙しくしながら毎日を送っていても、ぼんやりと過ごしていても、どちらにしても、時が経つのは残酷なくらい速い。

人と会って楽しい時間を過ごしても、一人でのんびりしていても、1日の時間の短さに驚くことしきりだ。

1年間はすぐに過ぎて行くし、5年、10年、20年だって、いまこのときから振り返ってみれば、本当に瞬く間。例えば、東日本大震災から間もなく10年と知って、もう10年?と思わない人はいないだろう。

人間は「死のキャリア」だ。生まれたときから、必ずいつか死ぬべくプログラムされている。「死のキャリア」は必ず発現するし、それがいつかは誰にも分からない。だから、日々を大事に生きようという、至極まっとうな思いをみんな強くする。

自分や周りの人が年齢を重ねていけば、逃れることのできない肉体的精神的な変化に、いろいろなタイミングで直面していくことになる。そういう僕たち自身の移ろいに加えて、世間や社会の移り行きもあまりに激しくて、ときに切なく感じられるときすらある。

住む街の風景が変わっていくとき、親しかった人と気づいたらぱったり会わなくなっていたとき、身近だったクライアントが離職していくとき、ペットに旅立たれたとき、などなど。すべては移ろって行くし、変わっていく。

ただ一つ変わらないのは「変わらないものはない」というシンプル過ぎるほどシンプルな真理だ。″諸行無常″からフリーなものなど何もない。

日本人は昔から「もののあはれ」をことさら感じやすく、桜が散れば無常感を強くし、兄弟や子を亡くせば世をはかなんで仏門に入るという、心の細やかな、しなやかな民族だったし、いまもそう。単なるセンチメンタルでなく、自分の心の中に無常感がしっかりあることを僕も知っている。

何かをしていても、していなくても、時間は飛び去って行く。Time flies. 小さい頃にお祖母ちゃんから、「少年老い易く、学成り難し」とよく言い聞かされたことを思い出す。少年は見事に老いやすいし、学は成り難かったなぁと、つくづく思う。

やりたいことは先伸ばしせずやる。親孝行をする。人との出会いを大事にする。どれも当たり前だけど、難しいことでもある。

しかし究極は、過ぎたことを悔やまないこと。過去を振り返る暇がないくらいに、日々を精一杯、豊かに生きていくこと。それができたら、時に流されるのではなく、時間をリードし、支配したことになるのだろう。

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