Dear-Abbadoのブログ

折々の雑感を綴っていきます。

2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

音楽の「深み」とは何だろう(2)

ただし、音楽はある面からみれば「ただの音響」である。ここが難しいところだ。誰が演奏した音楽であろうと、鳴っている音、いままさに耳に届いているそれは音響に過ぎない。そして、音は、ある周波数を持った空気の振動が鼓膜に達し、脳がそれを感知したも…

音楽の「深み」とは何だろう(1)

クラシック音楽の評論を読んでいると、「深みのある響き」だとか「深みに乏しい演奏」だとかいう文章にしばしば出会う。「深い」音楽は良きものである一方、音楽が「浅い」というときには、それを書いた作曲家やその演奏者が、ある種の力量に不足しているこ…

大人になるということは

喫茶店に入って文庫本を読む。いつも通りの週末の過ごし方。今日入った京急蒲田の喫茶店は客席と客席の間が狭く、聞くつもりはないのに隣の客のお喋りが耳に入ってきて、読書に集中するのに苦労した。こんなとき携帯音楽プレイヤーは重宝するんだろう。聞く…

音楽小辞典をめくる

音楽評論家の吉田秀和氏が書かれた文章を読んでいると、音楽用語がわりと頻繁に出てくる。楽譜が読めない人には分かりにくい表現が登場したり、ときには譜例が引用されていたりもして、難儀することもある。これは、言わんとするところを正確に読者に伝える…