Dear-Abbadoのブログ

折々の雑感を綴っていきます。

2016-01-01から1年間の記事一覧

音の公害

僕は音に敏感なたちで、巷に溢れているあれこれの音に苦痛を覚えることがしばしばだ。電車内だとアナウンスの音、くしゃみや咳払い、やたら大きな声でしゃべる人の声、携帯音楽プレイヤーの音漏れ。中でも車内アナウンスはかなり不快だ。やれ遅延のお詫びだ…

あらためて、「感謝する心」の大切さ

現代の日本のような社会に生まれて、生きていると、「感謝する心」というのはなかなか育ちにくいのだろう。自戒もこめて、ふとそんなことを思った。当たり前のように住む家があり、食べさせてくれる人がいて、コミュニティもある。治安もいい。教育も施して…

バレンボイム、素晴らしいじゃないか!

ずっと気になっていたboxセット、ダニエル・バレンボイムとシュターツカペレ・ベルリンによるベートーヴェン交響曲全集を買った。実はこの全集、Youtubeに音源がすべてアップされていたので事前に少し聴いてみたのだが、その素晴らしさにびっくり。渋谷のタ…

音楽の「深み」とは何だろう(2)

ただし、音楽はある面からみれば「ただの音響」である。ここが難しいところだ。誰が演奏した音楽であろうと、鳴っている音、いままさに耳に届いているそれは音響に過ぎない。そして、音は、ある周波数を持った空気の振動が鼓膜に達し、脳がそれを感知したも…

音楽の「深み」とは何だろう(1)

クラシック音楽の評論を読んでいると、「深みのある響き」だとか「深みに乏しい演奏」だとかいう文章にしばしば出会う。「深い」音楽は良きものである一方、音楽が「浅い」というときには、それを書いた作曲家やその演奏者が、ある種の力量に不足しているこ…

大人になるということは

喫茶店に入って文庫本を読む。いつも通りの週末の過ごし方。今日入った京急蒲田の喫茶店は客席と客席の間が狭く、聞くつもりはないのに隣の客のお喋りが耳に入ってきて、読書に集中するのに苦労した。こんなとき携帯音楽プレイヤーは重宝するんだろう。聞く…

音楽小辞典をめくる

音楽評論家の吉田秀和氏が書かれた文章を読んでいると、音楽用語がわりと頻繁に出てくる。楽譜が読めない人には分かりにくい表現が登場したり、ときには譜例が引用されていたりもして、難儀することもある。これは、言わんとするところを正確に読者に伝える…

散文的な秋の始まり

例えば都内でも、高尾山や奥多摩の方には秋の気配がしっかりと届いているのだろう。あいにくトレッキングや登山の趣味がないので、そこら辺は想像の域を出ない。僕の住む区は今日は一日、残暑と初秋の空気が混じり合ったような微妙な陽気だった。夕食をとろ…

アンドラーシュ・シフのパルティータ

秋雨前線が居座り、台風も近づいてきて、今晩は都内でも雨がよく降っている。基本的に雨は好きではないけれど、雨がしきりに降ると大気中の塵や埃が洗い落とされ、空気が澄みわたりそうな気がして、傘をさして歩いていると思わず深呼吸したくなることがある…

リッカルド・シャイー

リッカルド・シャイーを初めて聴いたのは、中学生のときだった。シャイーがロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団と録音したストラヴィンスキーの¨ペトルーシュカ¨と¨プルチネッラ¨が新聞のCD新譜評で取り上げられているのを読み、いそいそと買いに行ったので…

心を鎮めることは大切

このブログではなるべくネガティブなことは書かないようにしているが、今日はその禁を破ってネガティブなことを書いてみる。ここ2、3日、なんだか気持ちが落ち着かない。というか、かなりむしゃくしゃする。仕事のストレスもあるし、アパートの隣の部屋に住…

「男はつらいよ」を観る楽しさ

渥美清が主演した「男はつらいよ」シリーズを観続け、とうとう36作目まできた。何気なく1作目のDVDを借りてきて観たら、想定外(失礼)に面白く、どうせなら全48作を観ようと思って借り続けている。寅さんが柴又へふらっと帰ってくる→おいちゃん、おばちゃん、…

今日もコーヒー中毒

コーヒーがとにかく好きだ、という人は多いと思う。僕もそうで、平日は毎朝必ずセブンイレブンのセルフドリップ式アイスコーヒーを買って飲む。朝食は絶対に食べないけれど、コーヒーを欠かしたことはない。常識的には朝ごはんも食べずに空きっ腹にブラック…

トゥーランガリラ交響曲

先日タワレコで買ってきた中の一枚、メシアンのトゥーランガリラ交響曲を聴いた。小澤征爾とトロント交響楽団による1967年の録音。トゥーランガリラ交響曲は、名前だけは前々から知っていたが、曲自体は初めて聴く。楽章というか独立した部が10もあり、この…

衝動買いと土用シーズン

日用品以外で普段買うものといったら、僕の場合は本、CD、レコードくらいしかない。服は色褪せてもまだ着るし、靴も中敷きが擦れ底が減っても履き倒す。仕事用の革靴も十二分にくたくたになっているけれど、気にせず履き続けている。ただ、その革靴の使用も…

基礎的生活力の衰微

なんとも仰々しいタイトルを付けてしまった。。先日、まったくの思いつきから漬物をつくってみた。実家では祖母や母親が糠漬けやら浅漬けやらをつくっていて、子供の頃にそれを手伝ったりしたことはあったが、ちゃんとした漬物の作り方というのは正直言って…

田舎の良さ

この三連休に茨城県にある実家へ帰ってきた。朝は鳥の囀りで目が覚める。居間を網戸にすれば風が草と土の薫りを運ぶ。庭で焚き火をすれば明かりにひかれてカブトムシが飛んでくる。犬の散歩へ出れば見渡す限りの田んぼと芝生。そして夜は静かに虫の音が響く…

三井理峯の政見放送

参院選を前に調べものをしていたら、奇妙な動画がヒットした。三井理峯という女性の政見放送だ。Youtubeで検索するといくつか動画が出てくるので、怖いもの見たさで見てみるのもいいかも知れない。資料を見たままモゴモゴとした発声で訥々と訴える姿には、何…

百人町というカオス

エスニック料理好きの知り合いKさんに連れられて、久しぶりに新大久保へ出かけた。新大久保駅周辺はアジア系を中心に外国人が多いことで有名だが、その中心街である百人町はカオスだ。韓国、中国、ネパール、タイ、アラブ、南米など、あらゆる国、地域からの…

図書を殺菌してどうする?

最近、図書館で書籍を殺菌するサービスがあるらしい。図書殺菌ボックスなんてのを設けている図書館もあるようだ。はっきり言って馬鹿馬鹿しい。汚物にまみれたような本はもちろん別として、図書館の本は、他人と共有する前提で貸し出されているわけであって…

ジャムトーストにメロン

名古屋の喫茶店は面白い。日曜日、熱田神宮への参拝を終えた後に、とある小さな喫茶店に入った。ジャムトーストとアイスコーヒーを注文し、しばらくして出てきたものを見て驚いた。分厚いトースト二切れに、カットメロンまで付いてきたのだ。東京の喫茶店に…

名古屋への鈍行旅行

転勤で名古屋暮らしをしている友達に会いに行くついでに、明日から名古屋へ旅行する。品川から鈍行でゆるゆると。名古屋は通過したことは何度もあり、駅前で一泊したこともあるけれど、まともに観光したことは全然ない街だ。その分、楽しみでもある。ユニー…

新聞を読まない人

佐藤優氏の「知の教室」を読んだら、こんな刺激的な記述があった。「これからの時代、中産階級は二分化されて、上層は富裕層に近づき、下層はプロレタリアートに近づくと思います。その分水嶺が『新聞を読んでいるかどうか』になってくるでしょう」。ドキッ…

都知事選がやってくる

都知事選が7月31日に行われる。猪瀬氏、舛添氏ともにお金の問題で失脚してしまったから、次こそはそこら辺がなるべくクリーンな、長く務められる人を選ばないといけない。両氏に一票を投じてきた都民の一人としての自戒も込めてそう思う。舛添さん批判は世間…

ポテトチップスとイノベーション

最近、コンビニに入るとちょっと感動してしまう。ポテトチップスの新味が次から次へと出ているからだ。よく行く近所のローソンで今日あらためて確認してみたが、極旨担々味、瀬戸内レモン味、トースト味、牛乳味、グリルチキン&サルサ味、サワークリーム&…

宇野功芳氏を悼む

音楽評論家・指揮者の宇野功芳氏が亡くなったというニュースを聞いてびっくりした。6月10日に老衰で亡くなられたらしい。享年86。僕は中学生のときにクラシックを聴き始め、宇野さんが書かれた「名演奏のクラシック」からは強烈な影響を受けた。曰く「切れば…

先を見通すことは・・・難しい

YouTubeで麻生・現財務大臣が首相だったときの所信表明演説を見ていて、なんだか感慨深かった。あれからもう8年が経過したのだ。リーマンショック、自民党の下野と民主党政権の誕生、東日本大震災、超円高、安倍さんの再登板、アベノミクス、株価回復、東京…

「南無阿弥陀佛」と称えること

先月末に旅した富山で驚かされたのは、お寺や墓地にある墓石のほとんどすべてに「南無阿弥陀佛」と刻印されていたことだ。「倶会一処」と刻まれた墓石もいくつか目にした。北陸三県は真宗王国だと聞かされていたが、実際に目の当たりにして、なんだか感嘆し…

何に突き動かされるか

平穏無事な毎日が続いている。もちろん僕の毎日が。平穏無事というよりむしろ平凡無事と言った方が適当かも知れないが、無事に生きていられることをありがたいと思う一方、自分は何に突き動かされて生きているのだろう?とふと考えたりもしている。生きる目…

村上春樹とクラシック音楽

村上春樹さんの著作、「意味がなければスイングはない」と「小澤征爾さんと、音楽について話をする」を立て続けに読んだ。村上さんがクラシック音楽に造詣が深いらしいことはなんとなく知ってはいたが、この二冊を読んでみて、感服させられた。まず驚かされ…