この三連休に茨城県にある実家へ帰ってきた。
朝は鳥の囀りで目が覚める。居間を網戸にすれば風が草と土の薫りを運ぶ。庭で焚き火をすれば明かりにひかれてカブトムシが飛んでくる。犬の散歩へ出れば見渡す限りの田んぼと芝生。そして夜は静かに虫の音が響く。今日はしばらくぶりに蛇まで見た。
田舎は変わらない。新しい家が建ったり、空き地に太陽光パネルが置かれたり、街灯がLED(多分)になったりと小さな変化はあるけれど、田舎らしい良さはそのままだ。
夜、枯れ芝を焚く煙の匂いがどこからともなく漂ってくる。夏虫がすだくのを耳にしながらその匂いを嗅ぐと、心の奥深くから幼い頃の記憶がふっと浮かび上がってくるようで、何とも言えない不思議な気持ちになる。