Dear-Abbadoのブログ

折々の雑感を綴っていきます。

日本のサラリーマンはなんだかんだ……

いま、世間はお盆休みの真っ最中。前後の土日とくっつけて長期の夏期休暇をとっている人もいるだろう。今年はゴールデンウィークが最長で10連休になったし、年末年始も曜日の関係からうまくいけば9連休前後になる、休日の多い一年なのではないだろうか。

日本では一方で、過労で体を壊したり心を病んで自殺したりする人が多くいる。全部ではないが、毎週のように起こる都内の電車ダイヤ乱れは、誰かが働き過ぎた結果として引き起こされている。

これに関しては、過労でやられる前に、出社拒否するなりクライアントに逆ギレするなり上司をぶん殴るなりして、まずは自分で自分を守って欲しいと僕は考える。それをしたくてもできないから、追い詰められて自死を選ぶのだと思うけど、ときには人に迷惑をかけることも必要だ。自殺するよりは出社をブッチした方が絶対にいい。

前に僕が所属していたある会社で、ある年配社員が言っていたことをいまでもよく覚えている―「誰かがいなくなっても、会社ってのはなんとか回ってくもんなんだよ」。確かにそうで、会社は「組織」なのだから、誰かが突然いなくなってもその穴が補われてランニングされていくべきなのだ。
 
前置きが長くなった。休日が多いのは嬉しいことだ。しかし、昨今は、やれ「働き方改革」だの「ワークライフバランス」だの「イクメン」だのと騒がしくなってきて、政府のかけ声をバックに、休むことを至上のように捉える風潮が蔓延しているように感じる。

たまに僕もほぼ定時で帰社することがあるが、その時間帯の電車のまあ混んでいること!帰宅サラリーマンでラッシュなのだ。こんなに定時で帰れる勤め人が多くて(つまりは残業してまでこなさない程には仕事が無い)、日本企業は大丈夫なのか?と感じたりする。おまけに、若年サラリーマンから中年サラリーマンまで、電車内で没頭しているのはスマホゲームやスマホで読む漫画というのがかなり目立つ。

残業代抑制のために定時退社を促されて、仕事を家に持ち帰る人もいるだろう。でも、日本のサラリーマンはなんだかんだゆるいし、保護されている。僕がよく知っているある大企業も、定時出社・定時退社のサラリーマンが実際に多く、そのうえ休暇制度が充実している。社員を大切にするという面からは、のんびり働けることは良いことには違いないのだろうが。

高度成長時代の日本のサラリーマンは土曜も働いていた。竹中平蔵氏によると、平成初期と平成の終わりとを比較すると、日本人の貯蓄率および勤務時間は確実に低下・短縮したそうだ。つまり「日本人はよく働き、稼ぎをしっかり貯蓄する」という、旧来の働き蜂的なイメージは実態として崩壊したと言っている。その間に、中国のサラリーマンはよく働き、実際によく稼ぎを上げ、日本の企業を抜き去っていっている。

需要(仕事)が無ければ仕方ないが、フランスの元大統領ニコラ・サルコジが標榜していたように、「もっと働き、もっと稼ごう」というのが健全な資本主義社会のあり方なのではないかと思う。


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重慶の開発地区にて撮影