先月、二泊三日で台北旅行をした。その頃七月半ばの東京はまだ涼しかったので、非常な暑さにくらくらしつつも、台湾の良さを再認識することができた良い旅となった。
行天宮(シェンティエンゴン)という有名な道観を参拝したとき、台湾や香港や中国の寺院ではよくあることなのだが、テイクフリーの冊子や文庫型の経本などが置いてあったのでしげしげと眺めていたら、その中に可愛らしい栞があった。
手に取ると、″平安心語″と題して「掌握小細節, 用心成大事。」と書いてある。「大きなことを成すためには、小さくて細かい部分を把握することが、大切である」とでもいう意味だろうか。栞の裏にはこんなことも書いてあった。「讀好書 説好話 行好事 做好人」。良い書物を読み、良い話を説き、良いことを行い、良い人に倣う――。
この二つはまさに人間の生き方の理想だ。けれど、なかなかむつかしい生き方でもある。むつかしいからこそ、常に範としてそこに立ち返り、心に刻み込んで実践したい、そんな聖なる教えだ。
台北の床屋の看板。いつか″山本頭″に挑戦したい(?)