昨年はがんばって五回の出国を果たした。中国、台湾、ベトナム、フィリピン、また中国と、すべて近場のアジアだったけれど、毎回新しい発見があった。新型肺炎の影響で大好きな中国にはしばらく行きにくくなるのは残念至極で、中国以外の国へ渡航するのも注意が要る状況が続きそう。でも、年に五回も海外旅行すると、金銭面での負担もさることながら、身体的にも精神的にもそれなりに疲れる。フィリピンは特に疲れた。そして、海外旅行という体験に麻痺してきて、感動が薄れてしまう気も若干する。
今日、新宿に出かけたら人通りが少なくて意外な気がした。知り合いに言わせると「肺炎の影響で中国人の訪日が減ったからだ」という。確かにそのせいだろう。普段の東京の人出が、どれだけインバウンドでかさ上げされていたことか。最近は、毒ガスマスクのようなマスクを付けて歩く東南アジア人観光客も目立ってきている。旅行も命がけだ。
人と出逢う。本を読む。旅をする。この三つは人間にかけがえのないものを与えてくれる。どれもいくばくかの資金と時間は要るけれど、そのためにこそお金と時間、人生のほとんどを注入したい対象だ。ある仏文学者は「人生は、人との出逢いと会話だ」と、とても素敵なことを言っていた。二度とはない出逢いのために、今年も数を絞って旅に、読書に、勤しみたい。
北京の智化寺にて撮影
