Dear-Abbadoのブログ

折々の雑感を綴っていきます。

新聞を読まない人

佐藤優氏の「知の教室」を読んだら、こんな刺激的な記述があった。「これからの時代、中産階級は二分化されて、上層は富裕層に近づき、下層はプロレタリアートに近づくと思います。その分水嶺が『新聞を読んでいるかどうか』になってくるでしょう」。ドキッとした。僕は新聞を全く読んでいない。10年以上、新聞を読まない生活を送っている。世間で起きている出来事については、ヤフーか日経のウェブサイトで適当にピックアップして読んで知る程度だ。上記の佐藤氏の指摘は池上彰氏との対談で出てくるのだが、「情報収集の基本は新聞を読むことにある」のだそうである。対談では「プロレタリアート」でどういう種類の人たちを意味しているかには詳しくは触れていないが(注記には¨労働者階級のこと¨と、普通の意味のみ書かれている)、先の見通しを持てずにただ流されて生きていくだけの人たち、その日暮らしの人間みたいな意味で言っているのだろう。この説が正しければ、僕はプロレタリアート予備軍なのかも知れない。一方で、新聞しか読んでいないような人とは一緒にされたくない気も正直した。世界情勢についてしっかり取材されたものを新聞で読んでおくことは必要だろう。その指摘は正しいと思う。でも、多分僕はこれからも新聞は購読しないだろうし、新聞を読むなら良書を一冊でも多く読みたい。プロレタリアートに近づくのならそれもよいかな。読書をせず、新聞も読まず、社交性は皆無で世間の出来事や政治にも疎かったけれど、素晴らしい音楽を後世に遺したブルックナーのように生きることができたら、その方がよほど良い気がする。