Dear-Abbadoのブログ

折々の雑感を綴っていきます。

カタストロフィを期待する大衆と煽るメディア

致死率が数%しかない新型コロナウィルス感染症の影響で、全国で外出自粛、集会自粛の要請が続いている。東京都でもこの週末は臨時閉店する飲食店が目立つ。

スターバックスドトールなど、密閉空間・長時間利用の飲食店は理解できるとしても、TSUTAYAブックオフまで閉めているのには驚いた。明らかにやり過ぎ、過剰反応だ。まぁ、外出自粛要請が出ている以上、来客が通常以下になると見込んでのこともあるとは思うけれど。

移動・交易・交流は都市文明を成り立たせる根幹だ。それが制限された首都は衰え始めている。東京都は近隣諸県からの越境も制限され始めていて、いまや巨大な村と化しつつある。

外出自粛が要請された半面、ネットフリックスやAmazonプライム、オンラインゲーム、Uber Eatsなど、引きこもり消費サービスを提供する企業がこの機に乗じて稼いでいるようだ。しかし、利用者はサービスを満喫するだけで、企業は儲けるだけ。そこには消費と利潤しかない。

人が外に出て、未知の人や物や光景に触れることがないと、都市は病気になるし、イノベーションは生まれない。

各種報道も、仕方ないこととは言え、連日連夜、新型コロナウィルスに関するものばかりで、うんざりする。

メディアはセンセーショナルな見出しやセリフを使って、新型コロナに対する恐怖心理という火に油を注いでいるとしか思えない。でも、大衆は意識のどこかで今回のコロナ騒動のような、プチ・カタストロフィを実は待ち望んでいたようにも感じられる。

長らくぬるま湯状態が続く平和な日本社会にみんな飽きていて、ちゃぶ台返し的な事態を喜んでいるのではないか。マスコミはそういう大衆心理がよく分かっているから、ここぞとばかりに危機を煽る。ネガティブな祝祭に嫌々ながらもみんなで参加しちゃっていて、気がついたときには自ら招いた大不況に打ちのめされる。

f:id:dear-abbado:20200329180039j:plain