Dear-Abbadoのブログ

折々の雑感を綴っていきます。

成都・重慶 を旅して

今年はゴールデンウィークが長かったので、またとないチャンスとばかりに中国の成都重慶へ旅に出た。

中国に来るのは三度目。人民の多いこのエネルギッシュな国に来る度に良い意味でも悪い意味でも色々と驚かされるが、率直に言って僕は中国を旅するのが好きだ。

成都は、とんでもない大都会だった。旅行中の天気は、ほぼ毎日小雨が降り、曇りの日が多かった。宿は中心地の春熙路へ徒歩で行ける場所にとったが、まず、至るところにレストランや食堂、屋台があり、商店があり、道には常に人が行き交って活気に溢れていることに驚いた。

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文殊院の喫茶店「香園」で

上海と香港では見かけなかった、路上に痰や唾を吐き捨てる習慣が成都では一般的なようで、老若男女を問わず皆ペッぺペッぺとやっていた。歩きタバコも当たり前で、しかも皆火がついたまま捨てる。重慶では人通りの多い繁華街で、かろうじてゴミ箱の陰にではあるが、路上で親が女の子に放尿させている光景も目にした。良くも悪くも、中国人は他人を気にしないのだろう。

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重慶の街中で出会った犬

例えば、日本人がよくやるような、エレベーターで他人を先に下ろして自分はボタンを押して待ってあげる、といった妙な気遣いは中国人は一切しないと言っていい。最近は日本でも電車に乗る際のマナーが破綻しかけているが、中国ではメトロのドアが開いた途端にホームから人が雪崩れ込み、下車する人はその人波をかき分けて下りていく。

また、商店やレストランでの接客もきわめて即物的で、ある意味すがすがしい。成都で、いま中国の大都市で出店が増えている luckin coffee というチェーン店に入ったときのこと。luckin coffee はスマホ決済を前提にした店舗展開をしているのだが、僕が現金で支払いをしようとしたところ、あからさまに呆れたような、迷惑そうな顔をされた。

そもそも店舗にお釣り用の現金が無かったらしいのだが、日本の店員だったら恐縮しつつ丁重に対応するだろうところ。多くの商店では、こちらは中国語が分からないので英語で意思を伝えようと何度も試みたが、何も伝わらず、中国語で押し切られ、なんとなく淋しい思いもした。

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重慶裏路地の市場

帰国便の搭乗手続きをするとき、たまたまある日本人男性と知り合った。聞けば、中国が好きでやはりこの連休に成都重慶を廻ったという。その人は、台湾にも行ったことがあるが刺激に乏しい、と言っていた。そこは同感だ。僕は台北しか知らないが、街並みも人の振る舞いも食も、非常に洗練されている。カルチャーショックを受けたいなら、やはり中国に来るべきだろう。次は冬の北京、そして西安を旅したい。

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杜甫草堂