Dear-Abbadoのブログ

折々の雑感を綴っていきます。

お祭りとヤンキー

先週、先々週、ちょっとしたご縁があって、逗子と横須賀の神社のお祭りに参加させていただいた。どちらも緑の豊かな地域で、勾配が多くてよく風が通る、気持ちの良い土地だった。

神社で修祓式が執り行われた後、宮司禰宜を先頭に、大勢の担ぎ衆に担がれたお神輿が氏子地域を練り歩く。要所要所で氏子のお祓いをしたり、子どもの成長を祈願して神輿の下をくぐってもらったりする。途中、何箇所も休憩所があって、軽食やお酒、お菓子、ジュースなどが豪雪に振る舞われた。昼前から夕方まで炎天下を練り歩いたわけだが、担ぎ衆達はしんどそうだった。

お祭りに参加している人達を見ていると、いわゆるヤンキーが多いことに気づく。神職に聞くと、「どこのお祭りもヤンキーは多い」とのこと。町のお祭りなどでも、焼きそばやわた飴の出店を切り盛りする人達にヤンキー風情の人は多い。

ヤンキーは地元や地元のコミュニティを大切にする。地元で働き、地元で結婚相手を見つけ(あるいは結婚相手を地元に呼び寄せ)、子どもも地元で育てる。逆に、田舎から都会に出たら、ヤンキーなファッションやノリは通用しない。地元にとどまるからこそヤンキーは続けていける。

お祭りの後の直会(なおらい、と読む)で年配の方に話を聞いたのだが、横須賀は若者が減っているのだという。すぐそばに海があって、横浜への通勤にも便利そうなのに、人口は減少傾向にあるそうだ。都会へ出ていく若者も少なくないよう。

横須賀なんて全国的にも知名度は高いし、サーフィン好きや自然に囲まれた暮らしをしたい向きには素晴らしい土地だと思うのだが、現実には人口減に悩んでいる。そうした過疎化する地方都市にとって、ヤンキーはありがたい存在だろう。地元に住み、労働力を供給し、子どもを生んで、その子どもと一緒にお祭りにも積極参加してくれる。

お祭りにヤンキーが多いのは、ヤンキーは地元が好きだから、普段はあまり会えない地元の仲間ともお祭りでは会えるから、イベントが好きだから、日本的な情緒に触れるのが好きだから、などが理由だろうか。

堀江貴文さんは「すべての教育は「洗脳」である」の中で、これからの生き方の一つとしてL(いわゆるローカル)を指摘しているが、ヤンキーはまさにLな生き方だ。

いまは、衰退する地方都市を甦らせるために地元ヤンキーの力が欠かせない時代かもしれない。見てくれは怖いが、地元のためには力を惜しまない。集まりがいい。リーダーの下ではみんな素直。基本的にみんな若いからノリもいいし体力もある。中途半端な若者を呼び寄せるよりも、ヤンキーという資産を活用させてもらうことが、地方活性化の早道になりそうな気がした。