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Dear-Abbadoのブログ

折々の雑感を綴っていきます。

フランス語が話せたら

学生のころ、トリュフォーゴダールロメールルイ・マルルネ・クレマンなどの映画をよく観た。トリュフォーやマルの作品は分かりやすいけれどゴダールなどはよく分からず、でも分からないなりに観て楽しんでいた記憶がある。フランス映画はアメリカ映画と違って、「え、ここで終わるの?」というような不思議な幕切れとなる作品がけっこうある。フランス語のささやきと音楽でこちらがうっとりしているうちに¨Fin¨となる。脚本家や映画監督はもちろん彼らなりにちゃんとした筋書きをつくり表現しているのだろうけれど、そんな不思議な作品に何度か出会ううち、フランス映画というのはあまり深く考えず感覚的に観るのが一番だと勝手に思うようになった。そう、感覚的に観るだけでも楽しめるのがフランス映画だ。その要素として大きいのはやはりフランス語だと思う。散らかったアパルトマンで男と女がぼそぼそと語り合う。それだけで絵になってしまう。ドイツ語や韓国語だとこうはいかないだろう。

フランス語が話せたら素敵だなと思う。ドビュッシーラヴェルの精妙きわまりない音楽もフランス語圏だからこそ生まれ出たのだ。人間がこの世の中をとらえるとき、とらえることができるのはその表象でしかないけれど、事物の表象を受けて抱いた内なる表象を形にするときは言葉によるのが効率がいい。そして一度ある言語を身につけると、その言語に固有の仕組みで世界を把握し表現するようになる。フランス語という言語を母語として身につけた人たちはフランス語ならではの感覚を養い、フランス語の体系を通してしか出てこない表現の仕方をするのだ。分かったような分からないような話になってしまった。というわけで、フランス語を勉強しようと最近思い始めた。新しい感性を身につけられることを少しだけ期待して。